ダンスハ體育ナリ?其ノ三2021年踊ル?宇宙ノ旅→東京、鳥取、高知

木野彩子 レクチャーパフォーマンス
『ダンスハ體育ナリ?』其ノ三 2021年踊ル?宇宙ノ旅

日本では体育の一環として教えられているダンス。健康のために、音楽に合わせて清く正しく美しく。其ノ一では明治期からの女子体育の歴史と大野一雄を、其ノ二では1940年幻の東京オリンピックと体操の大流行を扱ってきました。日本人の集団性が教育の中で養われ、個人の自由な表現は軽視されてしまう傾向があるのは否めません。体育は特に身体から思想全体へと影響を与えてきました。体育がスポーツ化するのに合わせ、ダンスのスポーツ化も進み、すごい身体を目指して追求する人とそれを見る人の分断が進んでいく中、もう一度一人一人が自分の身体と向き合う時ではないかと考えます。2024年パリ五輪ではとうとうダンスが正式種目になりますが、ダンスは競い合うものではなく、お互いの違いを認め合うものであったはずです。優劣をつけるものではなかったはずなのに、いつから選ばれた人のためのものになってしまったのでしょうか。そして誰が何を基準に優劣を判断できるのでしょうか。審査員が?マーケットが?メディアが?世界が?それって、誰ですか?

 

シリーズ第三弾となる本作では、ダンスどころか身体をそして自己を放棄しつつある人類の未来について、考察します。整形などの身体変工から2.5次元ミュージカルの台頭、コスプレをみてみると、何者かへの変身を望み、結果として実体の自分を否定してしまう現代の文化が見えてきます。それは本当に幸せなことなのでしょうか。アバターやバーチャルリアリティに可能性があることは確かですが、全てを自分が、あるいは人間が作り出していると思ってはいないでしょうか。一人一人の身体はこの宇宙の星にもつながっていて、だからこそかけがえのない輝く生命であったはずです。138億年の記憶がこの細胞、DNAに眠っていて、ダンスは元々それらの記憶を辿り、蘇らせるような行為だったのではないでしょうか。だからダンスは文字の生まれる前から途切れることなく続いているのです。私たちはこの身体からしか考えることはできません。身体から一緒に考えてみましょう。この身体で、ライブでなければできないこととは何なのか。ダンスはどこへ向かうのか。プラネタリウムで宇宙の旅に出る特別編。

延期が続いていた東京編は未来ノシンタイについて考える作品に。今回はみなと科学館という昨年港区虎ノ門にできたばかりの科学館(隣に気象庁の気象科学館も併設しています)のプラネタリウムで開催する「2021年:宇宙の旅」ダンス?版です。

公演日時 11/5 Fri 18:30, 11/6 Sat 18:30

場所 みなと科学館(東京都港区)上演時間:約60分 

◎『【補講】ダンスハ保健体育ナリ?』short version

『films from nowhere』で発表した映像版ですが外からの依頼でショートバージョンを作成しました。佐々木先生ありがとう。ですが、最終的に上映する場をなくし、現在路頭にまよっています。でもこちらもなんらかの形で皆様にお届けできるようにと考えています。

参考までに前回のレビュー(RealTokyo)はこちら

実はArtScape,北海道新聞、公明新聞など様々なところに取り上げられました。

Dance New AIr HPには湯浅永麻さん(ダンサー)、芹沢高志さん(アートディレクター、都市・地域計画家、バックフラーミンスター著「宇宙船地球号」訳者)のレビューが載っています。

https://dancenewair.tokyo/2020/review/#r07

 

米子版チラシ

鳥取版はプラネタリウム解説員森山さんの生解説(ちょうど惑星が一列に並んで見える特別な日でした)と木野の体内ブラックホールに吸い込まれる特別映像付きのスペシャル版となりました。(協力:日本赤十字鳥取病院、電子顕微鏡のまち米子、鳥取大学医学部染色体工学センター)なお、2021年では無くなったので、タイトルを変更しています。


高知版チラシ